沖縄の石積み

沖縄本島、離島から採取される石材は目的、場所によって石組みが異なりますが主に城壁、石畳道、琉球墓として今も残る歴史建造物から確認できます。
先人たちが残した技術は時代の変化、建築技術の発達と共に現在も暮らしの中に根付いています。

相方積み

沖縄の石積み 相方積み

見た目には不定形の石が組まれたように写ります。施工は概ね自然の形の石を互いにかみ合うように削って形を整えていきます。
相方積みはひとつの石が抜け落ちても周囲の石が支えあって強度を保つため、部分修理が可能とされています。
県内の古い代表作例では1440年頃、護佐丸が築城したとされる中城城跡三の郭と現県立博物館の中城御殿跡の石垣にみることができます。

布積み

沖縄の石積み 布積み

見た目には矩形の石が組まれたように写ります。
施工はいわゆる豆腐のような直方体の石づくりをして、それを組みあげていきます。
作例は中城城跡一の郭と二の郭にもみられますが、園比屋武御嶽や首里城にも多くみられます。これらの首里王府の城壁や石門などを積んだとされている石工は竹富島出身の西塘という人物になっています。

野面積み

沖縄の石積み 野面積み

沖縄の石積みの中で最も古く原始に近い石積みで雑石積みともいいます。
施工は大小の自然石を加工することなく積み上げていく石組み。
現在でも竹富島や久高島で多く見られ、又与那国島、石垣島の白保、大浜地区などあり、本島内では玉城村にある知念城跡や糸数城跡に野面の石積みを見ることができます。

石畳

金城町の石畳道は有名で多くの観光ガイドにも紹介されています。
石畳の表面は自然肌の面の平らな部分を使用して大小の石をうまく噛み合わせています。
石畳道は県内各所に見られて琉球王朝時代の首里城へと伸びていったと見られます。浦添市の当山の石畳道、宜野湾市の野嵩の石畳道など県内各所に点在してます。